ザンザス姿
※本気です



SS

スクアーロ×花魁ランチア(花魁ザンザス×禿ツナ)

◆ケイ様

どうもこうも、全くもって自分らしくもない。

己の膝に頭を乗せて横たわる男の長い銀髪に指を絡めながらランチアは小さくため息をついた。

今日は朝から慌ただしかった。
未だ幼い頃の癖が抜けないのか、3日に一度は寝ぼけて布団に潜り込んでくる―― それでも最近は5日に一度程になった――綱吉をいつも通り抱きしめ眠った。
しかし、少々気温が低かった為かあまりにも心地よい他人の体温についつい寝過ごしてしまったのだ。
とはいえ、普段から早起きなランチアにしてみれば問題ない時間ではあったのだが、綱吉は違ったらしい。

「綱吉、すまない少し寝過ごした……」

ランチアが起きて尚、夢の中にいる綱吉の肩を揺すりながら声をかける。

「ん…、おぁようございまふ……」

目を擦りながら起き上がる綱吉の頬にキスを落としてやれば、寝ぼけ眼ながらも同じ様なキスが返ってくる。 そんな綱吉に苦笑しながらもう一度「すまない寝過ごした」と告げると、ゆっくりと窓の外に視線をやった綱吉の顔がみるみる間に真っ青になった。

「あー!もうこんな時間!」

ガバッと起き上がり布団から這い出す。立ち上がり歩く事も思いつかない程慌てているのか、這ったまま己の部屋へと向かう綱吉に、ランチアは三度謝罪の言葉を告げた。

「そんな!ランチアさんは悪くないです!自分で起きなかった俺が悪いんです。しかも俺また……」

布団に潜り込んだんですね。

今更な事を申し訳なさそうに告げる綱吉の様子に眦が下がる。

「そんな事は気にしなくていい」

むしろ嬉しいのだから。

後半は口には出さず、着替えはいいのかと言ってやれば、思い出したのか再び這い出した綱吉に小さく笑みをもらした。

綱吉が自室に戻ってすぐ、いつものようにスクアーロがやってきた。
彼の1日は綱吉をザンザスのもとへ連れて行くことから始まると言っても過言ではない。
というか連れてこいと蹴り出されるのだ。
普段は既に起きている綱吉がすまなさそうに出てきて、そのまま連れて行くのだが。
今日はまだ準備が出来ていない、と部屋の中から申し訳なさそうな声が響いてきた。
久しぶりに寝過ごした事に慌てているのだろうか、若干涙まじりのその声に「ゆっくりやれぇ」と言ってやる。
そしてもう一度告げられたすいませんの言葉の次に聞こえてきた支度をしているであろう音に、スクアーロは息を吐くと徐に隣室へと目を向けた。
そこには素早く支度をすませたランチアが窓枠にもたれかかるようにして桟に腰掛けている。
視線に気づいたのだろう、ランチアと視線が交わり声をかけようとした瞬間、スクアーロの側頭部に重い衝撃が走った。
倒れかけながら自分が立っていた場所を見れば、ザンザスの姿が。
てめえはちっとの間も待てねぇのかあぁぁ!心の中でそう叫べども伝わるわけはない。

おそらく、すぐに戻って来なかったスクアーロに痺れをきらし自ら綱吉を迎えにきたのであろう。

「遅い、カスが」

そう呟き、スクアーロが倒れる音に驚いた綱吉が部屋から顔を出す前に彼女はそっと拳をしまった。
理不尽な攻撃を受けようと、相手は太夫――しかも店で一番の権力を握っている ――、やり返すわけにはいかない。
己が倒れていくさまを感じながら、不意に見えた心配そうな表情のランチアに「心配ねぇ」と口に出さず呟いた。

ゴツンと大きな音がした。
スクアーロが床に沈んだ次の瞬間、ザンザスの予想通り部屋から顔を出した綱吉 は声にならない悲鳴をあげた。

「――――!?スクアーロさんっ!」

何があったんですか、と駆け寄ろうとするが寸でで誰かに抱き留められ叶わない。

「滑って転んだだけだ、すぐに気がつく」

ようやく目にした綱吉を抱きしめザンザスがそう呟く。
そうして、早く手当てしないと!と叫ぶ綱吉を上手くいいくるめ自室へと連れ去って行った。

窓にもたれたままそれを一部始終見ていたランチアはスクアーロのあまりの不憫 さにため息をついた。
しかし、普段ならば既に起き上がってくるはずのスクアーロにその気配が無い事 に気づく。

そういえば、今までで一番イイ音がしたな…。

恐らく打ち所が悪かったのだろう。
そう当たりをつけ、だがそのまま放って置くこともできず。未だ敷いたままだった布団に横にするべく、スクアーロを移動させた。
動きずらい着物の為、多少引き摺る事は多目に見てもらおう。
脇の下に手をいれ、足をずりずりと引き摺りながらなんとか部屋へ運び込む。
そして、布団へ、と思ったところでバランスをくずしてしまったのだ。

未だ覚醒の気配を見せない膝の上の男に、何度目ともわからぬため息が零れる。
いわゆる『膝枕』という状態に、ランチアも最初は予定通り布団に寝かせようとしたのだが。
見た目通り触り心地のよい髪についつい、いいか、とそのままにしてしまったのだ。

「何をやっているんだろうな……」

信じられない己の所業に苦笑しながら、サラリと指を通る銀髪を一房つかみ口付ける。
この男といると自分のペースが崩されて仕方ない。
だが、それを悪くないと思う自分がいることもまた確かなのだ。

「たまには自分を大事にしろよ」

目を伏せ左手で髪を口元にあてたまま右手をスクアーロの額にあてる。

彼女の性格通り優しいその感触が心地よすぎて、実はもう目が覚めているなどとは言えず頬を朱に染めるスクアーロに気づくまであと少し。

再び・・!貰ってしまいました!!!最初、最後の部分だけだったものがザンツナ分をたっぷりと含み新登場!!!
やはり最後の部分が萌えますvvv追加されたストーリーで更に萌えあがりました(ハァハァ)
もうッ携帯に受信した瞬間もくもくと読みふけりましたよっっキュンvスクチア!!!スクチア最高!!(洗脳電波)
素敵な仲魔ケイさんのサイトはbmよりどうぞ!